動脈硬化の原因と予防

動脈硬化と肥満

 

動脈硬化を誘引する数ある因子の中で、肥満は最も身近で肉眼で見ることができる唯一の因子です。動脈硬化症以外でも、高血圧や糖尿病、高脂血症などの成人病の原因となります。

 

肥満の原因は、摂取総カロリーは以前に比べて減少しているが食事の欧米化のため脂肪摂取量は増加していることや、輸送・通信手段の発達によるカロリー消費量の減少、また日本人は長年にわたる飢餓から少量の食物でも生き残れる体質、すなわち太りやすい遺伝子(倹約遺伝子)を持つ人が多いなどがあげられ、動脈硬化につながっていきます。日本人の男性21%、女性17%が肥満と言われ、動脈硬化を始めとする成人病予備軍になっています。内蔵型肥満になると内臓脂肪細胞からインスリンの効きを悪くするTNF-αと言う物質が分泌されインスリン抵抗性を強め、中性脂肪を分解する酵素の作用を低下させ、肝臓での中性脂肪の合成を高めることにより高脂血症を進行し、動脈硬化を進行させます。

 

動脈硬化の中でも、主に細動脈硬化とアテローム硬化が肥満に起因するところが大きいとされています。肥満の予防には食事のカロリーを制限し規則正しい食生活を送ること、体の負担になり過ぎない程度の適度の運動を毎日30分くらい続けることなどがあげられますが、動脈硬化の予防にそのまま役立つことばかりです。